liarcube

チラシの裏に書いたことを公開していくスタイル.

20190213

気になるタイトルだから読んだら残念だったので、何が残念だったのかのメモ。

学者の記名記事だから、たちの悪いものではないと思うのだけど…。

貧困家庭の女子が人生を見限る「自己選抜」......「大学には行かれない」「子どもは欲しくない」

記事は2つのトピックに分かれている。

1つめのトピックは、世帯所得階層別・男女別のアルバイト率で、低所得層の女子で大きな値が出ているという話。

まず、アルバイト率の高さと大学進学を諦めることとの因果・相関が不明。その上で、低所得世帯の女子が大学進学を諦めるのは「自己選抜」が作用していると推定し、この推定が真である場合、単純な経済的支援ではジェンダー問題は解決できない、と言っている。

この結論を導くのに必要なのは、世帯年収と男女別の大学進学率を比較した統計調査で、それは普通にあるんじゃないかしら? ないのかな?

んで。グラフを素直に読めば、世帯所得が300万を超えていればアルバイト率に男女差は少ないため、300万未満の世帯に経済支援をすることで、アルバイト率を下げることが出来る、ということでしかないのだけれど。"その先"を読むのが学問の領域かもしれないと察するけど、まだそれは検証の必要な仮説だろうに、大っぴらに開陳するものなんだろうか?

その上で。筆者の考えでは、世帯所得とアルバイト率の間にあるのは相関であって因果関係ではなく、家庭環境が真の原因である、ということのように読める。

であるならば、家庭環境が悪いことと世帯所得の相関を示す資料があっても良さそうなのだけど、特にない。前提なのかもしれない。世帯所得が低いと家庭環境悪いに決まってるよね、って。

2つめのトピックは、世帯所得と結婚願望の有無、子どもを持つ願望の有無の関係について。

2つ取り上げていて、1,2ポイントではあるが世帯所得とそれらには相関がありそうだということと、同じく1,2ポイントだけれど、女子の方が男子よりもネガティブな意見を多く表明したということ。相関が有意であるかはサンプル数やら意見収集方法にもよるので不明。

ただ、これを指して子どもの貧困が未婚化・少子化の大きな原因であるというのはよく分からない。

単純に考えただけでも、16歳時点で考えている「結婚したい・したくない」「子ども欲しい・要らない」と、実際の結婚率・出産率というのにどれほど相関があるのだろう?

データがあるのかしらと思ったけれど、取るのが難しそうでどうしたものか。大人に訊くしかないのだけど、「あなたは16歳時点でどう思っていましたか?」というアンケート結果の信ぴょう性がどれほどあるかという話だし、逆に16歳時点でアンケートに回答した子どもの追跡調査というのも、コストがかかるし。

例えばこれが、「未婚化・少子化をどうにかしたいなら、まずは子供が結婚したい・子どもを持ちたいと思えるようにするべきだ」という主張で、その為には貧困世帯への経済的支援が必要であるというなら、分かる。それは筆者の意見だから。僅かな差でも許せないという主義だから。

だけど、「事実としてこれが大きな要因と考えられる」という考察は、いやちょっと待てよと。

貧困に悩まされる子どもを無くしたい、という強い意志を持って学者をしているものと推測するのだけど。

データの鈍い扱い方による主張は、逆効果じゃないかなあ。